がん対策基本法の施行に伴い 大阪府でも「がん対策推進計画」の策定にとりかかり、その為の協議会を立ち上げ、医師、医療関係者など 20名が協議会委員に就任しました。
患者、家族からは VOICE代表と 「大阪がん医療の向上をめざす会運営委員」の 合計 2名が 協議会委員となりました。
以下 第一回 大阪府がん対策推進協議会に於ける VOICE代表の 発言(抜粋)です。
「大阪府がん対策推進計画」の策定に関しては 国の「がん対策推進基本計画」に添って 多くの課題がございますが 私からは 特に 「がん治療」と「がん検診」 「がんに関する情報」について お願いいたしたいと 思っております。
まず「がん治療」
放射線治療については がんに効果があると認められているケースがあるにもかかわらずまだまだ積極的な 取り組みがなされていないのは 「放射線治療医」が 少ない事も 原因の一つであると言われています。
2005年10月読売新聞の資料ですが 国内の放射線治療施設は700を超える一方、学会認定の治療医は500人足らずで、治療施設はあっても専門医が足りません。
人材の育成にも 施設の設置にも 時間と費用のかかることは 認識しておりますが ぜひ長期的な課題として 取り組んでいただきたいと 思いますし 現在、大阪でも 「放射線によるがん治療」は 受けることが可能ですので ぜひ、もっと多くのがん患者が「体に優しい放射線治療」を 受けることができますよう、各医療機関でも積極的な関わりや、地域での放射線治療設備の利用調整、専門医の人員調整など 今できる事から 推進していただきたいと 思います。
また 化学療法については「腫瘍内科医」の育成はもちろんのことですが 再発や転移で長期に治療が必要となった場合でも、治療を受けながら、働きながら社会生活をおくり、その方らしい日常を過ごすことができるよう「がんと共存しながら生きる」というような、がん医療や体制、行政による生活支援もぜひ検討いただきたいと 思います。
つぎに「がん検診」ですが
私は 毎年 人間ドックと言われている「自主検診」を受け 10年目に乳がんを告知されましたので 積極的に「がん検診」を受けて頂きたいと 強く望んでおりますが 大阪府の「がん検診」の現状を拝見しますと 非常に残念な数字が並んでいます。
がん検診でがんを見逃された、とか 見落とされたという事は 大きなニュースになりますが がん検診でがんを早期に発見できたという事は あまりニュースにはなりません。
がん検診受診率のアップには がん検診への理解と有用性をもっと積極的にアピールする事と、有効性が確立された検診の実施が必要になるのではないかと 思います。
私は乳がんですが、啓蒙活動で街頭キャンペーンなどに参加した際に「私は胸が小さいから乳がんにはならへんねん」と びっくりするような返事をいただく事があります。
一度ではなく 実際 そのような方は他にもいらっしゃって これってなんでやろ?と 思うことがあります。
検診だけでなく 情報にも つながることですが 様々ながんに対して 正しく理解していただけるような わかりやすい情報を くり返し 提供することが必要ではないかと 思います。
数値やグラフも必要ですが 向かいのおばちゃんにも 隣のおっちゃんにも わかりやすく 「有効ながん検診をうけることが がんの早期発見につながり 自分の体、自分の家族を大切にすることにつながるんですよ」というようなアプローチの方法も必要ではないでしょうか?
乳がんに関して 申し上げれば 有効性が確立された乳がん検診の実施には いたっていない(視触診のみ)の市町村があることを 残念に思います。
「がん医療に関する情報」ですが
私が乳がんを告知された8年前に比べますと 国立がんセンターがん対策情報センターの「がん情報サービス」も始まり より正確な情報が 入手しやすくなりました。
がん拠点病院での「がん相談支援センター」による 相談支援・情報提供も始まりましたが 医療機関や担当者により情報量や対応に違いが生じるような事のないよう 相談員への研修や 地域医療機関による情報交換など、ご検討いただき 府民が使える「がん相談支援センター」に育てて頂きたいと思います。
最後に 私たち「がん患者団体」も がん対策に関して 多くの期待と関心をよせております。
また がん対策にについて 何か 私たちのできることはないかと模索しております。
私たちも 活動を 通じ 社会的信用を得て 医療関係者の皆様からも信頼される存在になるよう 努力してまいりますので ぜひ患者団体へのご理解とご支援をいただけますよう よろしく お願いいたします。ありがとうございました。